大学全日本(インカレ)の応援に ②
ハンドボール大学全日本。
今回は岐阜県で開催されたこの大会に、全国各地の地方リーグ戦を勝ち抜いてきた強豪校32校が一堂に会し、トーナメント方式に全国一を競い合います。
倅の所属するチームは、22日午後3:00開始の初戦を大差で勝ち抜き、翌日の試合を待つことに。
予め宿をあちこち手配はしたものの、行楽シーズンも重なり何処もいっぱいで
「よし、ならば得意の車中泊!」ということで、マイカーの車内はさながらキャンピングカー仕様にしてきました。
大人二人がゆったり寝られるベットとお手製のサブバッテリーやLEDランタン。ワンセグTVやテーブル。もちろんカーテンも。
試合終了後すぐ、予め調べておいた近所の温泉施設に向かい、ゆっくりとひとっ風呂浴びます。
風呂上りにこれまた調べておいた「道の駅」に向かい、今夜の「宿泊地」を確保します。
あとは軽装で近所のお店に向かい、本日の勝利を祝しささやかな祝杯!
飲んで食って「宿」に戻ったら、お布団にもぐりこんで明日の試合に思いを馳せるのでした。
すっかり寝入っている午後10:08、
「ウインウイン・ウインウイン!!」とわたくしと嫁さんの携帯電話が大きな音を立て始めました。
急いで飛び起きると「緊急地震速報」です。
道の駅の防災無線が「大地震に備えてください。命を守る行動をとってください」と大音量で繰り返します。
しばらくすると車がゆらゆらとゆっくり揺れ始めましたがたいしたことはありません。
TVで確認すると長野県北部で大地震とのこと。驚きました。
二日目の朝は6:00起床。まだ薄暗い中、身支度を整えます。
「そういえばこの辺り、やたらと喫茶店が多いよなあ」
「名古屋と同じでモーニングが充実しているらしいね」
ということで、ほんと久しぶりに喫茶店で朝食をいただくことにしました。
今日の試合は10:30開始。
相手は、昨日優勝候補の関東勢を大差で破り、勢いに乗る地元校チーム。
試合開始早々6対0で大差をつけられます。
「あかん、このままでは・・・・」
その後も点差が開き30分の前半を終了。10分後後半がスタートします。
休憩の10分間の様子は、相手チームには笑みが溢れ、中にはじゃれあう選手も。
こちらのチームは円陣を組み、監督とコーチを中心に真剣なやり取りが。
さあ後半戦30分が始まります。すると・・・こちらの猛攻撃が始まりました。
相手チームの攻撃をディフェンスが食い止めインターセプトすると一気に攻撃に転じ、得意の速攻で得点を重ねていきます。
ラスト10分で同点に追いつきますが、相手チームも負けてはいません。猛攻撃をしかけてきます。
残りの10分間は取りつ取られつのシーソーゲームが続き、会場は他校の選手達も混じっての大声援が沸き起こります。
同点のまま迎えたラスト5秒、最後の攻撃のチャンスに出したパスが・・・相手チームにカットされ・・・・そのままゴールされてしまい 21対20で惜敗。今大会ベスト16の結果でした。
この瞬間、頑張ってきた倅のハンドボール生活は終わったのです。
4年間いつも一緒に頑張ってきた同期生と手と手を交わし言葉はいりません。
どの選手も怪我に苦しみながら4年間を必死に戦ってきた戦友。
悔し涙を流す後輩下級生とは違い、4回生は皆笑顔です。
大きな仕事をやりきった清々しい笑顔です。
そして、たった今戦った相手チームの選手達に向けて
「お前ら絶対に優勝せえよ。応援するからな!頼むぞ!」と声をかけ握手を交わしながら会場をあとにしました。
倅は、12月頭に予定している「右ひざ前十字じん帯断裂の手術」に向けて、痛め続けた膝を休めていかなくてはなりません。
地獄の一回生・二回生時代。いつも持ちきれない荷物を抱えて、先輩達のユニホーム等の洗濯や身の回りの世話に追われて睡眠時間もままならず。
選手として出来上がっていない身体は練習の都度怪我を繰り返し満身創痍の二年間。
やっと人並みの三回生。レギュラーに登録され練習量が激増。手に持つ荷物は少なくなった分、後輩達に対する責任が増え、上級生との板ばさみの難しさも経験。
8人居たはずの同期生が相次いで退部してしまい、現在の5人が残るのもこのころ。
この年のインカレに、チームは出場したものの、倅や同期の数名が「怪我」で戦えず。
そして最後の、今年のこの大会。
「よく頑張った。」
カメラのファインダーが涙でかすみます。
もう一晩を現地に宿泊の倅と、明日朝一緒に帰阪する予定なので・・・・今夜も楽しく車中泊。
昨日と同じお風呂に入り、今日はスーパーで食材とビールを買い込んで
道の駅の「宿」で、これまた祝杯を。そう倅の部活卒業の祝いなのです。
翌朝6:00起床、岐阜羽島駅まで迎えに行き時間調整に喫茶店を探すと
ありました「純喫茶 ティファニー」!?
学生時代に流行っていた喫茶店の雰囲気が、今でもそのまま残っているお店です。
モーニングサービスをいただいていると
「コーヒーのおかわりはいかがですか?」とウエイトレスさんが。
「ありがとう。いただきます。」
美味しいコーヒーを二杯もいただきご機嫌なお店でした。
約束の時間に駅前に現れた倅を車に乗せ
「お疲れさん。せっかくだし、蕎麦の美味い店に行こう」
ということで郡上八幡へ向かい、そこから紅葉の「せせらぎ街道」を高山の手前まで走り
「清見庵」でいつものお蕎麦をいただきました。
倅曰く「僕のお蕎麦観が変わったかもしれん!」
「また来ようぜ。次はお前の運転でな」
「わかった」
よほど疲れているのか、帰路は助手席で暴睡しています。
お疲れさん。今後は早く怪我を治し、次の難関「就職活動」にチャレンジしよう。
わたくし達の応援遠征の旅は、まだまだ続きそうです。