中高年がバイク下支え 新車購入7割が40代以上

東京新聞 2010年11月17日 朝刊

 バイクの新車販売の低迷が止まらない。日本自動車工業会自工会)の国内需要予測によると、2010年は前年比6.5%減の40万4000台にとどまり、ついに電動アシスト自転車に抜かれる見通しだ。原因の一つは、排ガス規制への適合に伴う価格の上昇。かつては若者のあこがれだったバイク文化を、現在は中高年ライダーが支えている。 (荒間一弘)

 「若いころはお金がなかったが、今は金銭的に余裕ができて夢がかなった」と、埼玉県草加市の会社員(45)。群馬県渋川市の公務員(46)も「子どもたちが成長しようやく自分の時間ができた。バイクに乗るのは十六年ぶり」と目を輝かせた。

 十一月上旬にホンダ系列の「交通教育センターレインボー埼玉」(埼玉県川島町)が開いた「免許取得者が対象」のバイク安全講習。専門トレーナーの指導に従い、多くの「中高年ライダー」が、スラローム(ジグザグ走行)や車体を傾けたコーナリングに真剣な表情で取り組んだ。

 この講習は年間約八千人が受講するが、初級コースの男性参加者のほとんどが三十代後半以上。中には七十代もいるという。定年後に初めて大型バイクを買った人や運転は十数年ぶりという「リターンライダー」に話を聞くと、「週末にネットで知り合った仲間とツーリングに出かけたり、一泊で会社の仲間と温泉に行ったりと、バイク生活を満喫している」と答えてくれた。

 自工会の調査では、〇一年度の新車購入者に占める四十代以上の割合は44%だったが、〇九年度には71%に急上昇。一方で二十代以下は、35%から12%に低下し、平均年齢は四七・四歳と「高齢化」が進んでいる。

 最大の理由はバイクの高額化。今年一〜九月にホンダ製で一番売れた大型バイクは「CB1100」(九十九万七千五百円から)の三千六百六十三台で、「CB400シリーズ」(七十一万九千二百五十円から)の三千八十七台が続いた。メーカー側も「購入しているのは、四十歳以上の中高年が中心」(ホンダ広報部)と認める。

 「若者が乗ってくれないと、バイク市場はますますじり貧になる」と関係者は危機感を募らせる。各メーカーは、低価格商品を投入するなど、若者を市場に呼び戻そうと懸命だ。


☆ 今の若者や各年代層の大半の人々にとって「バイク」には 大金叩いて購入しようと思うほどの魅力が無いのですよ。
四輪車が比較的安く購入できる今、雨風にさらされ危険度の高いバイクが好まれるはずもありません。
街に入れば 駐車スペースも無く 社会から歓迎されていないイメージばかりが先行するのではないでしょうか。

二輪車事故の多くを占める原付バイクを無くしてしまい(電動アシスト自転車で充分)小型二輪車以上を「二輪車」と定義し 交通事故発生状況などの統計をまとめれば 安全な乗り物であることは簡単に証明できることでしょう。

また、今の流れで 良識ある中高年層の方々が 多数大型・中型バイクを愛好し颯爽とツーリングしている様子が全国に広まれば 交通社会におけるバイクの位置づけも好転することでしょう。

過去の「猫も杓子も」といったバイクブームを呼び戻そうなどと考えずに 全く違ったバイク文化を構築すべき時代に突入したといえるのではないでしょうか。